【レポート】第十七回/山形県

2018.7.11

7/6(金)、山形県鶴岡市。
今回の47キャラバンは、鶴岡市のまちづくりスタジオDadaにて開催された。
本会はスーツ姿で農家をされている方、きくらげを生産されている方、
養鶏をなされている方からシステムエンジニアの方まで、21名の方にご参加いただいた。

自己紹介の際、参加者の一人であるシステムエンジニアの方が、
「高橋さんの話を聞いて”食べ物の過程を伝えることができるのは農家しかいない”ということを改めて知った」と語っていた。

確かに「美味しい」や「食味ランキング」などの味や客観的指標は、生産者でなくても、例えばシェフや研究者でも発信することはできる。
一方で、生産現場にいるのは当たり前だが生産者だけであり、その現場を自らの経験で伝えることができるのは生産者自身しかいないのだ。

ポケットマルシェでも生産者自身のコミュニティで生産者が生産現場のリアルを発信している。
特に私が印象に残っているのが秋田県の漁師、山本さんの投稿だ。

山本さんは「時化の為、1週間ほど出られません」という書き出しで、雪が降りしきる現場の写真を投稿した。
当時山本さんはすでにガサエビの受注も入っていたが、時化のためその発送も滞っていた。
また、獲れないガサエビの代わりに、フグとサメが大陸棚を占拠している為サメを食べて欲しい。という投稿も行なった。

ここで一般のスーパーを思い出してほしい。

スーパーで魚売り場に魚が並んでいなければクレームが入るかもしれない。
もう、そのスーパーには行かないと思うかもしれない。
そして、買いたい魚の代わりに、違う魚を提案されたら多くのお客さんはよい思いはしないだろう。

一方で、山本さんのコミュニティでは、お客さんからのクレームなどは一切なかった。
山本さん自身の身を案じる投稿、そしてサメを購入したいという投稿で盛り上がった。

スーパーとポケットマルシェのコミュニティの違いは一体なんなのであろう。
それは生産者の現場、そして顔が見えるという点に尽きるのではないだろうか。

時化ている状況を写真で見れば、誰しもが「漁に行ってこい」などと発言はできないであろう。
それはその漁師に「死んでこい」と言っているようなものなのだから…。

高度経済成長をもたらした一つの要因は大規模流通の確立であろう。
一方で、生産者と消費者の距離が断絶されてしまったという一側面もあるように思う。

この断絶を少しでも融和していきたい。
この方のご意見を聞きながらそんなことを思ったのでした。

最後になりましたが、今回の座談会は山形食べる通信様にご協力いただきました。
有難うございました。
【文責:中山】

▼高橋博之からの一言
庄内地域は食文化が豊かなところというイメージがあり、実際に豊かである。
一方、庄内でも各家庭で食文化を伝える機会が減り、「どこでも食べられる加工品を食べるんだったら、
もはや庄内に暮らす理由がなくなる」と、ある若手農家が話しているのを聞いて、本当にその通りだと思った。
そして、彼は家庭でできないならと農家レストランを経営し、食文化を伝える取り組みを続けている。
同じことは、すべての地方に問われていると感じた。じゃなければ、日本はのっぺらぼうみたいな国なってしまう。