【レポート】第九回/熊本県

2018.6.5

5/22(火)、熊本県熊本市。天気は晴れ。夏を感じさせるかのような暑さ。

市の中心部からは2016年4月の熊本地震で被災した熊本城の屋根と最上部が綺麗に見えていた。
地元の方にお聞きすると、ちょうど1日前に、足場の一部が撤去され、姿を現したのだという。

そんな熊本城の近くにある未来会議室にて「平成の百姓一揆~高橋博之47キャラバン~」は開催された。
農繁期にもかかわらず、会場が満席となる35名の方にご参加いただいた。参加者は多くの方が農家。
熊本市内はじめ、県内、そして遠くは福岡県よりお越しの方もいらっしゃった。

これまでの座談会、多くは参加者は車座になり着席をするが、今回は多数の方よりお申し込みにいただいたため、半円形式/講義形式での開催となった。

会ではまず、高橋がこう切り出した。
「カレーを作ったことがない人はいないだろう。しかし本当にカレーを『1から』作ったことがある人はいるだろうか。
『1から』というのは、人参、お肉、お米などを自ら育てるということから始めるということだ。
本当に学生を集め『1から』カレーを作るというプロジェクトを行った人がいるそうだが、
そのプロジェクトでは時間が経つにつれ、多くの学生が『そこまではちょっと』と言ってプロジェクトを離脱していった。
その『そこまではちょっと』ということを誰がやっているのか。それは農家、漁師であり、その当たり前にもっと多くの人が気付くべきである。」

そう、今の日本の食環境では、作る人と食べる人の距離が遠くかけ離れてしまっているがゆえ、
多くの食べる人が作る人に想いを馳せることができなくなってしまっているのだ。逆もまた然りである。
このことを本会では改めて気づかされた参加者の方も多かったであろう。

会の最後、質疑応答の際、参加者の一人30代の男性農家がこう問うた。
「3人の子を抱えているが、農家を専業でやっているだけでは正直飯を食っていけない現状がある。
今後どのようにしていけばよいだろうか。」

これに対し高橋は
「なぜ、食べ物を作っている農家が、自らは食べていけない世界が広がっているのか。
こんな奇妙な世界に我々は生きているということを改めて認知すべきでだ。
まずはその現実を広く、多く一般消費者の方に伝えていくことが大事だ。」
と答えた。この答えにその農家はゆっくりと頷いた。

また、高橋は講演の最後にこうも語る。
「数年経てば、誰が作ってるかわからない食べ物を食べていると『かっこ悪いね』と言われる社会になると思う。」
これにも参加者の多くが頷かれていたのが個人的には印象的であった。
(スタッフ/中山)

▼高橋博之からの一言
47キャラバン史上最多の参加者で、全員が真剣な眼差しだったのが印象的でした。
共に自然災害を経験した熊本のみなさんとは、根底で通じ合えるものがあると強く感じました。
未来は予測するものではなく、つくるもの。そう思えた百姓一揆でした。